畑の小さなゴミは自然に馴染んでいる


20年以上、耕作放棄地になっていた畑。
草を刈っていると、いろいろな拾いものがある。

主な拾いものは、色あせたビニールひも、さびた鉄杭。
そして、マルチに使うヨレヨレになった黒いシートのかけら。

農業用マルチシートは、作物を育てる畝を覆う資材。
かつて、農業を営んでいた畑では農業資材を使っていた。
20年以上経た今、ボロボロになりながらも朽ちることなく残っている。

小さいもので5ミリぐらい、大きいもので20センチ以上。

見つけては拾って持ち帰っている。

畑をはじめて8年。
まるで生き物のように小さなゴミが今でも出てくる。

こんな小さな畑のどこにいたのか、どこからやってきたのか。

いた!
見つけた!
土から出てきたビニールひも

日々の食卓を支えるために野菜を作り続けてきた小さなゴミ。

その小さなゴミは自然には還らないが、自然に馴染んでいる。
そして、今やっと役目を終えるのかな。

ふと思う。

開墾作業は、新しいいのちが育つ環境をつくっているといえるのかもしれない。

山の畑では、なるべく自然のままに綿を栽培している。
山の畑が実践している自然のままにとは、農法もノウハウも何も作り出すことができない。
小さなゴミも自然のままにそこにいる。

日々いろいろなことが起きる中で、そのときできること、そのときできないことがある。

考えない。

思いつくまま、気の向くまま。

余分なことはしないで、くたびれる前に今日の作業は終わり。